Bluetoothの規格では、用途に応じてBluetoothプロファイルと呼ばれる複数の通信方式が使われています。このオーディオ信号を伝送するためのプロファイルが三種類あります。
A2DP
A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)は、高品質なステレオオーディオデータを伝送するために使用されます。標準的なSBCコーデックのサンプリングレートは、最大48 kHzです。また、AACやAPTxコーデックも使用されます。
A2DPには、A2D Source(配信)とA2DP Sink(受信)プロファイルがあります。
- A2DP Sourceに該当する主な機器は、モバイルフォン、タブレット、テレビです。
- A2DP Sinkに該当する主な機器は、スピーカー、ヘッドセット、カーラジオです。
HSP
ヘッドセットプロファイル(HeadSet Profile )は、送信側と受信側双方の音声を伝送するために使用されます。SCOコーデックのサンプリングレートは8 kHzで、これは従来の電話音声の帯域幅に相当します。ヘッドセットプロファイルには、HSP Gateway(送信)とHSP Client(受信)プロファイルがあります。
- HSP Gatewayに該当する主な機器は、携帯電話です。
- HSP Clientに該当する主な機器は、ヘッドセットまたは耳の穴に差し込むタイプのイヤホンです。
HFP
ハンズフリープロファイル(HandsFree Profile )も送信側と受信側の音声を伝送するために使用されますが、HSPプロファイルをさらに拡張したプロパティを装備しています。例えばクライアント側(受信)にゲートウェイ(送信)デバイスのアドレスブックを転送でき、MSBCコーデックのサンプリングレートは音声品質(Skypeなどの通話)を改善するため16 kHzです。
HFP GatewayとHFP Clientは、下記の通りです。
- HFP Gatewayに該当する主な機器は、携帯電話やパソコンです。
- HFP Clientに該当する主な機器は、ヘッドセットまたは耳の穴に差し込むタイプのイヤホンです。
多くのデバイスは、上記三種類のプロファイルに対応しています。用途に合わせて適切なプロファイルが自動で選択されます。