FFT 解析
リアルタイムFFTは、くし型フィルタや狭帯域の干渉の視覚化に最適なツールです。XL2は、ライブレベルと時間平均されたレベルLeqを同時に測定します。周波数レンジ7 Hz - 20 KHz、3種類のレンジによる測定が可能です。さらにオプションのエクステンデッド・アコースティックパックは、より高解像なズームFFTを実現し、周波数レンジ5 Hz - 20 kHzを最小0.4 Hzステップで解析できます。 また、スペクラムリミットオプションは、トレースキャプチャリング、相対カーブ表示、広範囲なトレランス処理機能をFFT解析に付加します。

RT60 残響時間
XL2はSchroederメソッドにより、1/1オクターブバンド63Hzから8kHzでのエネルギー減衰を測定します。オートトリガーと多数の測定値の平均化機能は、測定作業を容易にし、測定時間を削減します。テスト信号は、インパルスソースかゲーテッド・ピンクノイズを使用します。オプションのエクステンデッド・アコースティックパックにより、1/3オクターブ解像度のRT60 測定が可能になります。

ポラリティ
ステレオサウンドイメージは、左右のスピーカーのポラリティを揃えることが重要です。XL2は、ケーブル、スピーカー、スピーカーキャビネットのポラリティを測定します。詳細な結果のページでは、125 Hz から 8 kHzまでのオクターブバンドに加え100 Hz以下のサブウーハーレンジで各々測定されたポラリティを表示します。これにより、周波数帯域とポラリティの関連性についてより深く検証できます。テスト信号は、NTi Audio テストCD(付属品)またはMiniratorテスト信号ジェネレータが用意されています。

ディレイタイム
ディレイファンクションは、サウンドシステムの正確なディレイライン・アレンジメントの設定に最適です。XL2は、電気的リファレンス信号とアコースティック信号間及びスピーカー間のディレイタイムを測定します。必要になる音響ディレイ設定は、自動的に表示され、例えばオーディオエンジニアは測定されたディレイタイムをラック内のディレイ機器に直接セットすることができます。

音声明瞭度 STIPA (オプション)
最新のIEC 60268-16:2011 (edition 4)および旧エディション に準拠した音声明瞭度を測定できます。XL2は7つのオクターブバンド各々のレベルと変調指数を測定し、結果をSTIまたはCISで表示します。
測定には下記の専用STI-PAテスト信号が用意されています。
- NTi Audio TalkBox アコースティック信号ジェネレータ (アナウンス用マイクロホン含む全ての音声信号系を測定する際に必要)
- STIPAテストCD(付属品)
- Minirator MR-PROテスト信号ジェネレータ (ライン入力のあるオーディオ機器へ入力)

1/12オクターブバンド解析(オプション)
より高解像度のスペクトル解析が要求される場合、1/6、1/12オクターブ解像度RTAを可能とするスペクトラムリミット・オプションが用意されています。このオプションにはトレランスの設定機能が追加され、各周波数バンドの値が外れていないか可視化できます。また、合否判定も可能で、判定結果は本体のリミットボタンLEDで確認できます。そして、XL2内蔵の I/Oインターフェースを使用してスタックライトを点灯、または既存の自動化されたテストシステムに容易に統合できます。
周波数レスポンスの高速測定(オプション)
音響・オーディオ分野では、ピンクノイズを使用した周波数レスポンス測定が一般化されています。NTi Audioは従来のピンクノイズ比べより高速測定が可能な「Fastpnk1」と「Fastpnk4」テスト信号を提供します。これら二つのテスト信号はそれぞれ1秒、4秒以内に安定し、従来のピンクノイズよりスムーズに測定できます。FastPink信号は、MR-PRO信号ジェネレータから出力可能です。この機能を使うには、XL2にスペクトラムリミット・オプションのインストールが必要です。
伝送周波数特性の高速測定
NC曲線(オプション)
NC曲線は室内や環境の騒音レベルに関して、客観的な指標を与えます。スペクトルからNC値を評価するには、1/3オクターブバンドのスペクトルがNC曲線に接する最も高い値で表されます。SIL値(speech interference level)はNC曲線と同時に計算されます。NC曲線測定機能はスペクトルリミット・オプションで可能になります。
サポートしているNC曲線と規格:
- NR値
ISO 1996に準拠
- NC値
ANSI 12.2-2019、1995に準拠
- RNC値
ANSI 12.2-2019に準拠
- RC値
ANSI 12.2-1995に準拠
- PNC値
ASA 1971に準拠
