2024年9月
環境騒音測定における騒音源の特定技術の進化
3Dサウンドインテンシティプローブの活用による、騒音監視の精度と効率向上
環境騒音の評価は、過去40年以上にわたり、時間履歴データの記録や、手動またはソフトウェアによるイベントの識別が行われてきました。しかし、近年の技術進歩により、このプロセスの精度と効率が飛躍的に向上しています。特に注目すべきは、騒音イベントの方向や高さを高精度に測定できる3Dサウンドインテンシティプローブの導入です。この技術は、自由音場で特に効果を発揮し、後処理の手間を大幅に減らすことができます。測定の精度は音場の特性に左右されますが、研究では、主要な騒音源がある場合、信頼性の高い測定が可能であることが示されています。
著者: Aflalo, Erik; Hupp, Thomas
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2020年11月
米国におけるサウンドレベルメーターの定義が変わりました
ANSI/ASA S1.4とIEC 61672の違いを理解する
これまで「大西洋の違い」とされていたサウンドレベルメーター(SLM)の基準の差はなくなりました。2014年7月に、ANSI/ASA S1.4(全3部)がIEC 61672(全3部)を採用したことで、米国のANSI規格と国際規格であるISO規格が統一されたためです。SLMのユーザーが細かい技術的知識を持つ必要はありませんが、測定結果に対して異議が出た際には、新しい規制を正しく理解しておくことが大切です。この記事では、エンドユーザーの視点から新しい規制を丁寧に解説し、クラス1サウンドレベルメーターがANSI/ASA S1.4に準拠していることを確認するための文書について説明します。ANSI/ASA S1.4/IEC 61672の各部分は、それぞれSLMの設計者、製造者、認定機関、校正機関向けに作成されています。
著者: MacMillan, Brian; Nigsch, Berno
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2018年10月
マイクロホンのエンドオブラインテストにおける課題とベストプラクティス
自動車や人工知能など、さまざまな分野でマイクロホンの利用が増えているため、迅速で信頼性の高いテスト方法への需要が高まっています。この論文では、エンドオブラインテスト(製品の最終テスト)の設計におけるポイントを解説しています。大きな課題の一つは、音源(スピーカー)の性能を安定させることです。スピーカーは多くの要因によって性能が変わりやすいため、注意が必要です。テストのための環境は、常に同じ条件を再現できるように整えられ、できれば無響室のような環境が理想的です。また、外部からのノイズをテスト結果に影響させないため、測定する音の範囲でしっかりと遮音する必要があります。論文では、さまざまなタイプのマイクロホンに適したテスト要件や、限界値の設定方法についても詳しく説明しています。
著者: Schmidle, Gregor; Beach, Mark; MacMillan, Brian
AES 論文番号 10096
2017年10月
ハイエンドオーディオシステムの客観的なテスト方法
ハイエンドオーディオ機器市場には、非常に高品質な製品が多く存在します。これらのシステムは、最高の技術や素材を使用して作られている一方で、品質管理が主観的に行われることが多いです。この論文では、ハイエンドオーディオシステムの研究開発、品質管理、設置、修理といったライフサイクル全体を通して、客観的な品質測定システムを効果的に導入するためのベストプラクティスを紹介しています。
著者: Schmidle, Gregor; Köck, Gerd; MacMillan, Brian
AES 論文番号 9835
2017年6月
音響機器のエンドオブライン(EOL)テスト
多分野にわたる重要な作業
この記事では、大量に生産される音響機器の製造現場で、歩留まりと品質を維持するための課題を紹介しています。限界値の設定、テスト用の治具設計、データの取り扱い、システムの再現性や保守管理など、さまざまな要素について詳しく説明しています。
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著者: Schmidle, Gregor
2017 Loudspeaker Industry Sourcebook, page 32-36
2014年10月
安全性が重要なPAシステムの定期テスト対応
この論文では、原子力発電所のような安全性が極めて重要な環境で、PA(公共アドレス)システムを完全自動化してテストするための改修について説明しています。このシステムには、4000以上のスピーカーや約200台のアンプ、さまざまな警報信号発生装置が含まれ、毎日数分以内にテストを完了させる必要があります。また、指令室のマイクロホンは半自動のプロセスでチェックされています。テスト手順は、不具合がある部品を確実に検出するとともに、誤警報を起こさないよう設計されています。
著者: Schmidle, Gregor; Schwizer, Philipp; Häns, Winfried
AES 論文番号 9117
2013年10月
大量生産スピーカーの歩留まりと品質を維持するためのエンドオブラインテスト方法
大量のスピーカーを複数の生産ラインや拠点で製造するのは、多様なスキルが求められる難しい作業です。この論文では、安定した歩留まりと品質を確保するためのエンドオブラインテストの設計方法について説明しています。取り上げている内容には、音響や電気的なテストパラメータの選定、テスト治具の設計、限界値の設定方法、エラーに強い作業フローの構築、テストシステムの校正、環境の影響への対処、そして統計的手法やプロセス管理の活用が含まれています。
著者: Schmidle, Gregor
AES 論文番号 8990
2012年10月
オーディオ測定手法の概要と比較ガイド
現代のオーディオアナライザーには、多くの測定機能があり、さまざまな手法が使われています。この論文では、測定手法を複数の観点から分類し、信号処理の基本的な考え方や、代表的な手法の強みと弱みを詳しく解説しています。読者が特定のニーズや用途に応じて、最適な測定手法を選ぶ際の参考になるガイドも提供しています。
著者: Schmidle, Gregor; Zanatta, Danilo
AES 論文番号 8705
2011年10月
スピーカー製造における測定限界値の設定方法についての体系的アプローチ
スピーカーのエンドオブラインテストでは、通常10以上のパラメータをテストし、それぞれに合否の基準があります。これらの基準が最終的なテスト結果や製造ラインの歩留まりに大きく影響します。この論文では、業界で広く使われている限界値の計算方法や手順をわかりやすく説明し、歩留まり、品質、そしてスループットを最大化するために適切な限界値を選ぶための体系的なガイドを提供しています。
著者: Schmidle, Gregor
AES 論文番号 8472
2010年11月
ラインアレイのポラリティ測定における信頼性の高い方法
ラインアレイのパフォーマンスは、スピーカーが正しく設置されているかどうかに大きく左右されます。たとえば、1つのスピーカーのポラリティが誤っているだけで、システム全体の音量や指向性が大きく崩れてしまうことがあります。しかし、このような問題を特定するのには時間がかかることも多いです。そこで、迅速かつ信頼性の高い方法で問題を特定できる手順が求められています。この論文では、ラインアレイの状態を確認し、ポラリティの問題があった場合にその原因を見つけるための具体的な手順を段階的に解説しています。理論的な背景だけでなく、実際に成功した事例も紹介しています。
著者: Becker, Markus; Schmidle, Gregor
AES 論文番号 8156
2009年10月
高性能ハンディオーディオアナライザの設計最適化
モバイルデバイスの設計には、共通の課題があります。たとえば、低消費電力ながら十分な処理能力を持ち、使いやすいインターフェースを備えることが求められます。しかし、ハンディオーディオアナライザーを設計する際には、さらに専門的な要件が加わります。具体的には、非常に低いノイズフロアでの測定、広範囲の電圧測定(絶対値と動的)の安全かつ正確な取り扱い、測定用マイクロホンや他の入力デバイスとの互換性、さらに国際規格や業界標準に対応する必要があります。また、限られたサイズのディスプレイで複雑なデータを効率よく表示し、さまざまな場所や環境で安全に使用できることも重要です。これらの要件は、インターフェースやデバイス設計にさらなる工夫が必要となります。
著者: Becker, Markus
AES 論文番号 7908