残響時間 RT60

RT60

このページでは、RT60測定に必要となる知識や使われる用語、そして実際の測定手順について紹介いたします。

NTi Audioは音響測定器とテストソリューションを提供するリーディングカンパニーです。

我々のRT60測定ソリューションの優れている点についても説明いたします。

NTi Audioはユーザーの方々が測定作業に必要な機器を知り、知識を高めることをお手伝いいたします。

 

残響時間とは

室内で発生する音は、床、壁、天井、窓、テーブルなどへ反射を繰り返しながら、徐々にエネルギーが減衰していきます。このような反射が互いに混じり合うと、残響といわれる現象が発生します。このように音の反射がたくさん集まったものが残響です。

残響時間とは、 密閉された空間で音源が停止した後、反響している音が「消える」までに要する時間です。

残響時間は、室内で音がどのように応答するかを評価する際に重要です。

残響時間は、反響がカーテン、クッションが付いた椅子、そして人などの吸音面に入射、または壁、吊天井、ドア、窓ガラスなどを経て室外に漏れた場合は短くなります。

こちらから、「手をたたくことで感じる残響時間」の動画をご覧いただけます。

  • 無響室にて
    推定残響時間は0に近い

  • 会議室にて
    推定残響時間1秒前後

  • 廊下にて
    推定残響時間2秒前後

  • 当社地下駐車場にて
    推定残響時間3秒前後

残響の重要性について

残響が多すぎると、音声明瞭度に悪い影響を与えてしまいます。例えば、残響が多い学校の教室では、先生が話している内容が聞き取りにくくなってしまうことがあります。

また、残響が多い礼拝所では、音が消えるまでに数秒かかっているように聞こえます。宗教指導者は言葉をはっきりとゆっくり話し、ひとつひとつの話に間を空けます。このような話し方をする主な理由は、残響が気にならないようにし、スピーチが明瞭に聞こえるようにするためです。コンファレンスルームは、特に課題の多い音響空間です。ホワイドボード、スタイリッシュなガラスの壁、そして会議になくてはならない大きなテーブルは、すべて音を強く反射する面があります。これらが残響を増やし、音声明瞭度に悪い影響を与えます。

一方、残響が少ないコンサートホールでは、 オーケストラの豊かで温かい音の響きを損ねてしまします。

 

残響時間はどのように定義されるか

残響時間(RT)とは、音源が停止した後、音圧レベルが60dB減衰するまでの時間です。

RT60は一般的に使用される残響時間の略称です。

RT60の値は室内の場所により異なります。そのため、多くの場合、複数の測定ポイントの平均値で表されます。

 

RT60 Measurement Principle
RT60測定の基本原理図

 

RT60が0.3秒より短い室内は、音響的に「デッド」と言われます。

RT60が2秒より長い室内は、「響きがある」と評価されます。

RT60の測定方法

この動画では、XL2オーディオアナライザ、DS3 12面体スピーカー、PA3パワーアンプを使用した残響時間RT60の測定方法を説明します。

 

7ステップ-クイックガイド

  1. 1.
    XL2のメインメニューでRT60を選択します。
    XL2 RT60 Main Menu
  2. 2.
    室内が静かな状態で、SETをクリックします。
    XL2 RT60 SET
  3. 3.
    PA3で「EQ Pink」を再生し、レベルを調整します。(聴覚保護具を着用してください。)
    PA3 EQ Pink and Gain
  4. 4.
    XL2のStartボタンを押し、RT60を測定します。
    Press Start
  5. 5.
    音源オン/オフを3回繰り返します。
    PA3 Remote Control
  6. 6.
    Stopボタンを押します。
    Press Stop
  7. 7.
    レポートを印刷します。
    RT60 Report with your logo

 

XL2のRT60測定機能

NTi Audioは、RT60測定にXL2アコースティックアナライザの使用を推奨します。XL2は操作を簡単にするオートトリガー機能を装備し、測定作業と時間を最小限に抑えます。

 

XL2 Acoustic Analyzer for RT60 Measurement
XL2アコースティックアナライザのRT60測定画面

XL2の特長

  • インパルスソース、またはゲーテッド・ピンクノイズにオートトリガー
  • 自動化された平均値の算出機能
  • 測定値をスペクトル表示
  • 容易なレポート作成
  • 国際規格に準拠

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測定時に考慮すべき事柄

相関(Correlation)と不確かさ(Uncertainty)について


RT60 decay linear fit

RT60は、実測された減衰曲線から 最小二乗法を用いて求められます。簡単に言うと、すべての測定データを反映する最も適した直線(回帰直線の傾き)が表示されます。

XL2は補助的な測定値として、相関(correlation)と不確かさ(uncertainty)を自動的に計算します。これら二つの値は規格により要求され、測定値の精度を示します。

  • 相関(correlation) は、計算された回帰直線の傾きが、実測された減衰曲線とどの程度近似しているかを示します。相関の値が高いほど、直線的で歪みのない減衰曲線であることを表します。単位は相関係数(correlation factor)として%が使用されます。音源が停止された後、音圧レベルが完全に直線的に減衰した場合、相関係数(correlation factor)は100%になります。この直線性が悪くなると、相関係数が低下します。相関係数は、通常80~100%の範囲です。
  • 不確かさ(Uncertainty) は、ピンクノイズが一定ではなくランダムな信号のため必要とされます。この値は測定された残響時間の長さと関係し、残響時間が長いほど、そして各周波数帯域での帯域幅が広いほど低くなります。また、帯域が低いほど高い値を示します。

    不確かさ(uncertainty)は、測定サイクル数、測定法(T20またはT30)、測定解像度(1/3または1/1オクターブ)に影響されます。


    これらの理由から、不確かさ(uncertainty)を低くするには(すなわち測定確度をより良くするには)

    • T20よりもT30が良い
    • 1/3よりも1/1オクターブ解像度が良い
    • 測定サイクルは3回よりも5回が良い
      (Note:測定は最低3サイクル必要です)
測定用マイクロホンをどこに設置したらいいですか? クリティカルディスタンス Dc

複数の位置に音源とマイクロホンを設置し、測定したすべての結果から平均値を求めることを推奨いたします。これにより、例えば室内の モード (部屋の寸法により発生する共振)の影響を補正できます。

マイクロホンは、反射面(壁、ドア、窓、床、テーブル)から必ず1 m以上離して設置してください。

さらに、マイクロホンを設置する場所から音源までの距離を決める際に役立つ式があります。この式により、RT60を正確に測定する際、音源と測定用マイクロホン間で離すべき距離が分かります。

この距離は、クリティカルディスタンスとして知られています。式は複雑に感じるので、分かりやすくするため実際に数値を当てはめて計算してみます。

RT60 Critical Distance formula

V = 室容積 [m3]
c = 音の速度 [m/s]
T = 予想される室内のRT60値 [s]

計算例:小さなホールで室内の温度が20℃、ホールの縦横が10 m x 9 m、高さ5 m、予想されるRT60は2秒とすると、マイクロホンは音源から少なくとも1.6 m離して設置しなければなりません。

V = 10 * 9 * 5 = 450 m3
c = 342 m/s (20℃における音の速度)
T = 2 秒

クリティカルディスタンス Dc = 2 *√ (450 / (342 * 2)) = 1.6 m

周波数解像度1/3、1/1オクターブのどちらで測定したらいいですか?

XL2アコースティックアナライザは、1/1オクターブ解像度でRT60を測定します。さらにオプションのエクステンデッドアコースティックパックを追加することにより、1/3オクターブ解像度による測定が可能になります。

多くの測定アプリケーションでは、測定仕様で1/3オクターブ解像度が要求されている場合を除き1/1オクターブ解像度で十分です。

T20、T30のどちらを選択すればいいですか?

RT60 decay measurement

音源により音圧レベル100 dBを作り出すことができる場合、T30でノイズフロアが55 dBまでの室内を測定できます

一般的に室内の暗騒音(例えばオフィス)は、ノイズフロアが40 dBから50 dBです。音源から60 dBの減衰を測定するには、このノイズフロアより75 dB(オートトリガで5 dB、ノイズフロアに10 dBヘッドルーム)以上の音を再生しなければなりません。スペクトル全体で125 dBで音を出力しようとした場合、特に低い周波数でとてつもない高い音圧が必要になり、技術的にも実現が不可能です。

従って、実際には反射エネルギーが20 dBまたは30 dB減衰する時間を測定します。歪みなく直線で減衰する場合おいて、外挿法により60 dB減衰する時間を推定することができます。

 

  • T20 = 20 dB減衰する時間の3倍、または
  • T30 = 30 dB減衰する時間の2倍

 

測定の不確かさを低くするという観点から、一般的にT20よりもT30が適しています。しかし、暗騒音レベルが非常に高い場合、または45 dB高いレベルで音源を再生することが困難な場合は、T20が適しています。.

RT60の代表値をどのように求めたらいいですか?

選択した周波数帯域の測定値を平均し、RT60を代表値で表すことができます。

RT60を代表値で表す場合、平均化の計算に用いた周波数帯域を必ず明らかにしてください。そうしないと、数値が意味のないものになってしまいます。

例えば、1/1オクターブバンドの500 Hzと1 000 Hzの時間を平均して残響時間を代表値で表します。

Frequency f [Hz] RT60 Octave Band [s]
63 0.90
125 0.87
250 0.76
500 0.67
1000 0.59
2000 0.56
4000 0.56
8000 0.51

(0.67 + 0.59) / 2 = 0.63

計算結果より、T[500Hz, 1000Hz] = 0.63

または、1/3オクターブバンド測定において、400 Hzから1250 Hzの6帯域での値から平均値を求めます。

Frequency F [Hz] RT60 1/3rd Octave Band [s]
50 0.29
63 0.25
80 0.31
100 0.20
125 0.22
160 0.21
200 0.27
250 0.22
315 0.41
400 0.34
500 0.36
630 0.25
800 0.22
1000 0.23
1250 0.22
1600 0.22
2000 0.25
2500 0.21
3150 0.20
4000 0.22
5000 0.22
6300 0.21
8000 0.23
10000 0.22

(0.34 + 0.36 + 0.25 + 0.22 + 0.23 + 0.22) / 6 = 0.27

計算結果より、T[400Hz-1.25kHz] = 0.27

上記の計算から求められた二つの値は、ISO 3382-1規格に準拠しており、 T30,mid または T20,mid と表示されます。T30とT20は、RT60が算出された減衰レベル(30 dBまたは20 dB)に基づいています。そのため、コンプライアンスレポート作成のため、および後日同じ条件で測定できるよう、レポートを作成する際に上記のような表(または 室内音響レポーター)にすべての周波数帯域の値を表示することが推奨されています。

一人で測定したほうがいいですか?

XL2アコースティックアナライザは、一人で測定作業ができるように設計されています。

しかし、測定作業の効率性を高めるため、室内に測定者以外の人がいても構いません。例えば、測定に使用している12面体スピーカーを移動する際、手伝ってくれる人がいると測定者は助かります。

測定中室内にいる人は静かにし、必ず聴覚保護具を着用してください。また、マイクロホンの近くには立たないでください。

測定中に室内に人がいる場合は音のエネルギーを吸収してしまうため、RT60値が短くなる可能性があります。そのため、測定中に室内に人が何人いたかを必ず文書に明示してください。

XL2のRT60技術仕様
XL2アコースティックアナライザは、
  • RT60を63 Hz から 8 kHzで測定します。
  • 1/1オクターブ解像度で結果を表示します。オプションのエクステンデッドアコースティックパックを追加することにより、RT60測定を1/3オクターブ解像度で測定できます。
  • T20またはT30を選択できます。
XL2のRT60測定原理


RT60 decay measurement

XL2アコースティックアナライザは、自動的に残響時間RT60を算出します。

  • サウンドレベルが5dB減衰したことを検出します。これは、音源が止まり、XL2がレベル減衰および残響時間測定を開始するトリガとなります。
  • ユーザーが選択した20または30dBの減衰時間を検出します。
  • 取得した減衰曲線に回帰直線を適用します。
  • 以下の通りRT60値を算出します。

    RT60(T20) = 3 * 20 dB減衰する時間 または
    RT60(T30) = 2 * 30 dB減衰する時間

 

RT60測定用音源について

RT60測定用の音源は、大きな音を発生することがあるので、必ず聴覚保護具を着用してください。

測定する室内の広さと用途により、適切な音源が異なります。

一般的なRT60測定では、多くの場合ISO 3382、ASTM E2235規格に準拠した全指向性の音源が要求されます。これは音のエネルギーが均一に放射される必要があるためです。RT60を正確に測定するには、全指向性の放射特性を備えた音源が必要です。

インパルス音源とは、拍手、破裂音、銃の発射音など瞬間的でシャープな音源として定義されています。ASTM E2235規格では、これらの音源の使用は推奨されていません。

12面体スピーカー

このパワフルな全指向性音源は、小規模から比較的大きな室まで多くの測定アプリケーションに対応しています。

DS3 and PA3
12面体スピーカーセット
 

利点

  • 120.5 dB出力、軽量による優れた可搬性
  • ワイヤレスリモートコントロールによる出力オン/オフ
  • イコライズされたピンクノイズより、100Hz~8kHzの周波数帯域をカバー
  • 低消費電力により長時間にわたり安定したサウンドレベルを保証
  • 繰り返しの使用にコストがかからない
  • インパルス音源ではなく全ての規格に準拠している
     

    各音源の特徴

    常設のPAシステム


    Minirator MR-PRO
    MR-PRO信号発生器

    大きなホール、劇場では、常設のPAシステムでピンクノイズを再生することが最も現実的な方法です。

    特に低い周波数でPAシステムから十分な音量を出力できるか確認してください。

    利点

    • 音源としてピンクノイズを使用することより、測定するすべての周波数帯域をカバー
    • 繰り返しの使用にコストがかからない

    欠点

    • PAスピーカーは測定する場所へ均一に音を放射できない
    ポータブルスピーカー


    Minirator MR-PRO
    MR-PRO信号発生器

    特に低周波数でスピーカーから十分な音量が得られるかどうかを確認してください。

    スピーカーの持つ指向性により、測定確度の補償が必要です。室内の多数の測定位置で、より多くの回数を測定してください。

    利点

    • 既にスピーカーを所有している場合は費用対効果が高い
    • 音源としてピンクノイズを使用することより、測定するすべての周波数帯域をカバー
    • 狭い室空間では、所有する小さなスピーカーの使用に限られる
    • 繰り返しの使用にコストがかからない

    欠点

    • 一台のスピーカーの持つ指向性特性により、全指向性の放射特性が得られず、測定の正確さを欠く可能性がある
    • スピーカーが重過ぎると、引きずって設置ポイントを移動させなければならないこと
    スターターピストル

    スターターピストルを手にして、空港や学校などの建物へ絶対に立ち入らないでください。

    ピストルの口径が大きいほど、より広い範囲の周波数帯域をカバーし、出力される音のエネルギーは大きくなります。したがって、より広い室内を測定することができます。

    ピストルの爆発により口金から火薬のカスが飛び散ります。レストランなど食事をする場所で測定する場合は、必ず掃除機を用意してください。

    利点

    • 持ち運びが簡単
    • 素早くセットアップできる
    • 比較的低コスト(火薬代)で繰り返し使用可能
    • 全指向性の放射特性

    欠点

    • ピストルを持っている測定者が傍らの人を不安にさせる
    • 広い室内では十分なエネルギーを作り出せないかもしれない
    • 測定する周波数全域をカバーできないかもしれない
    • スターターピストルを購入する際に初期費用がかかる
    • 火薬を購入する費用がかかる
    • インパルス音源の使用はASTM E2235規格に準拠していない
    風船の破裂音

    風船が大きいほど、より広い周波数帯域をカバーし、出力される音のエネルギーは大きくなります。したがって、より広い室内を測定することができます。

    目的にあったより高品質な風船を使用してください。子供のパーティーで使うような安価な風船は破裂のタイミングが難しく、クライアントの前ですぐに割れてしまう可能性があります。

    利点

    • 持ち運びが簡単
    • 全指向性の放射特性

    欠点

    • 準備に時間がかかる – 直径1 mの風船では、膨らませるのに電動バルーンポンプで5分くらいかかる
    • 測定する周波数全域をカバーできないかもしれない
    • 広い室内では十分なエネルギーを作り出せないかもしれない
    • インパルス音源の使用はASTM E2235規格に準拠していない
    クラッパーボード


    Clapper Board

    利点

    • 持ち運びが簡単
    • セットアップ不要
    • 繰り返しの使用にコストがかからない

    欠点

    • 測定する周波数全域をカバーできず、有効なRT60値を測定できない可能性がある
    • 広い室内では十分なエネルギーを作り出せず、有効なRT60値を測定できない可能性がある
    • インパルス音源の使用はASTM E2235規格に準拠していない
    ハンドクラップ

    手をたたくことで、残響が多いか少ないか判断できます。

    利点

    • 素早く簡便
    • コストがかからない
    • 全指向性の放射特性

    欠点

    • 測定のトリガをかけるのが難しく、有効なRT60値を測定できない可能性がある
    • 測定する周波数全域をカバーできず、有効なRT60値を測定できない可能性がある
    • インパルス音源の使用はASTM E2235規格に準拠していない


    音源に関する考察

    どれくらいの長さで音源を再生したらいいですか?

    測定開始のトリガをかけるため音源を停止させる前に、放射された音源の音響エネルギーが反射と吸音により安定するまでかかる十分な長さで再生してください。つまり、反響が室内全体を満たす十分な時間が必要です。

    おおまかな目安として、ピンクノイズは少なくとも想定される残響時間で再生してください。

    残響時間が明らかではない場合、音源を少なくとも5秒再生してください。

    今までにない音源の必要性について

    PAシステムが設置されていない非常に広い、または長い室内でRT60測定が必要な場合、今までにない低く大きな破裂音を作りだすことが必要になるかもしれません。独創的なアイデアを考えるうえで提案があります。例えば、電話帳を安定した頑丈なテーブルに叩きつけることで低く大きな破裂音を作りだすことができます。

    このようなRT60測定用のノイズを作り出す方法をご存じでしょうか?
    ご存じでしたらぜひお知らせください。

    DS3 12面体スピーカーで12個のドライバーを使用する理由


    NTi Audioは残響測定について研究を重ね、現場使用に最適な12面体スピーカーを開発いたしました。

    12面体とは
    語源について
    12の面を持つ立体形状であって、12の正五角形で構成される正多面体です。ギリシャ語でdodekaedrosは、「12個の面」の意味を持ちます。(ギリシャ語では扱いにくい言葉で、民主主義、哲学、美術、建築、化学、スポーツ、さらに他の意味もあります。)

    RT60を測定する際には、適切な場所において全指向性音源の使用が推奨されています。これはISO 3382とASTM E2235規格で定められています。

    12面体スピーカーを選ぶ上で重要な項目が重量と音響パワーです。

    スピーカーキャビネットは重くかさばらない方がよいです。つまりポータブルで運びやすいことが重要です。例えば、新たに建設中の建物でエレベータが稼働していない場合、測定場所の5階まで階段で運搬するのは大変です。

    全指向性とは、音のエネルギーがあらゆる方向に均一に放射されることを意味しています。DS3は規格に準拠した全指向性音源です。

    さらに、DS3 12面体スピーカーは必要にして十分な音響パワーを出力できます。

    NTi AudioのDS3 12面体スピーカーは、全指向性で120 dBの音響パワーを持つ一方で、殊のほか軽量にできています。

 

レポート作成について

XL2は、内蔵するSDカードにすべての測定データを保存できます。そして、直接パソコンにデータ転送が可能です。測定データは、レポートとログファイルに分けテキストフォーマットで保存され、テキストエディタ(メモ帳やWordなど)で開くことができます。データはタブ区切り形式になっており、Excelなどのスプレッドシートにドロップすることで、表に見やすく表示させることができます。

規格に準拠したRT60測定レポートを作成する際は、「室内音響レポーター」PCソフトウェアを利用できます。このソフトウェアは、音響専門家の方々の評価、報告業務をサポートします。

Projector PRO XL View Room Acoustics Reporter

 

RT60の推奨値

下の表は室内の広さ、用途によるRT60の推奨値です。

場所 広さ 臨界距離Dc 推奨されるRT60
 レコーディングスタジオ < 50 m3 1.5 m 0.3 s
 教室 < 200 m3 2 m 0.4 - 0.6 s
 オフィス < 1'000 m3 3.5 m 0.5 - 1.1 s
 講演ホール < 5'000 m3 6 m 1.0 - 1.5 s
 コンサートホール, オペラ < 20'000 m3 11 m 1.4 - 2.0 s
 教会     2 - 10 s

 

オーダー情報

XL2 Building Acoustics Kit

ベーシック残響時間用XL2測定セット

セット内容
  • XL2 アコースティックアナライザ
  • 室内音響レポーター
  • M4261測定用マイクロホン
  • Minirator MR-PRO
  • ASDケーブル
  • ACアダプタ x2
  • XL2/XL3兼用 システムケース
 

プロフェッショナル残響時間用XL2測定セット

セット内容
  • PA3 パワーアンプ
  • DS3 12面体スピーカー
  • DS3用スタンド
  • XL2 アコースティックアナライザ
  • エクステンデッドアコースティックパック
  • 室内音響レポーター
  • M2230測定用マイクロホン
  • ASDケーブル
  • ACアダプタ
  • XL2/XL3兼用 システムケース

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