STIPAテスト信号は、オクターブバンド125 Hz から8 kHzのピンクノイズを正弦波で変調しています。変調帯域幅により音の強度を変化させることで、人の声を模擬しています。STIPAテスト信号は、変調されたピンクノイズのため、人の声のようには聞こえません。
室内にオーディオシステムがない場合
PAシステムが設置されていない学校の教室などの場合、教師の声に代わり教壇において標準的な音圧レベルを再生するスピーカーが必要になります。IEC 60268-16規格によりスピーカーに求められる条件は、人の声の標準的な音圧レベルとして60 dBA @ 1 mが規定されています。
さらにITUT P.51規格では、スピーカーについて人の口から発せられる声と同等の広い放射特性が規定されています。
スピーカーとテスト信号が内蔵されたTalkbox音響信号発生器は、これら規格の要件を満たしています。
アナウンス用マイクロホンを使用するオーディオシステムの場合
アナウンス用マイクロホンからPAシステムを通して放送する場所では、音響的なSTIPAテスト信号をマイクロホンへ供給しなければなりません。この場合、IEC 60268-16規格に準拠して正確な音圧レベルで人の声を模擬した音響信号を出力するスピーカーが要求されます。この使用条件では、音声明瞭度を正確に測定するためにアナウンスマイクロホンおよび設置環境を含むすべての信号経路の要因が反映されます。
スピーカーとテスト信号が内蔵されたTalkbox音響信号発生器 は、この用途の要件を満たしています。
アナウンス用マイクロホンを使用しないオーディオシステムの場合
事前に録音されたアナウンスを再生するためのハードドライブを含むPAシステムで放送する場所では、STIPAテスト信号を外部の信号発生器から電気信号として供給しなければなりません。この信号発生器は、STIPAテスト信号を途切れることなく任意のラインレベルで出力する必要があります。
MR-PROオーディオ信号発生器は、この用途の要件を満たしています。
STI測定
音響的なSTIPAテスト信号を評価する場合は、STIアナライザが必要です。このSTIアナライザは、ハンドヘルドまたはポータブルタイプをお勧めいたします。理由として、一つの室内のSTIを評価するには、一回あたり15秒かかる測定が、通常複数の位置で数回必要なためです。
数回測定されたデータを平均化した後、任意で周囲騒音による補正を適用します。これは直ちに数値を確認できるので便利です。これにより室内の音環境を素早く変更でき、必要に応じて明瞭度を改善した後、再測定します。
XL2 STIPAアナライザは、この用途の要件を満たしています。