2021年 3月 11日

設備向けスピーカーの周波数レスポンスとカバレッジテスト

設備向けスピーカーの周波数レスポンスとカバレッジテスト

PAシステムや放送システムの周波数レスポンスとカバレッジを、現場で素早く測定するテストソリューションをご紹介いたします。測定にはXL2とスペクトラムリミット・オプションを使用します。

PAシステムと放送システムには、明瞭な拡声と音楽再生が求められます。これらを評価するため、音声明瞭度に加えて、周波数特性も測定されます。一般的な評価基準は以下のようなものです。

標準的なリスナーの耳の高さで1/3オクターブバンドで測定します。フラットネスが100~2,000 Hzで± 2dB以内、10,000 Hzまで3dBオクターブでロールオフします。

スペクトラムリミット・オプションは、希望する周波数帯域にトレランスマスクを作成することで、合否判定を可能にします。判定結果は、XL2に内蔵されているLEDにより、緑と赤のランプでわかりやすく表示されます。また、ディスプレイにはスペクトラムの上の箇所にバーが表示されており、どの周波数帯域が不合格なのか分かります。

XL2スペクトラムリミットの画面
 

システムの性能試験ために、現場を何回も訪問したいと思う人はいません。

現場で手早く測定して、すぐに合否を判定できます。不合格の場合は、問題の帯域がすぐに分かりますので、例えばスピーカーの角度や室内の音響を補正して再測定します。

スペクトラムリミット・オプションには、「伝送周波数特性の高速測定」機能が装備されています。専用のピンクノイズを使った測定のセトリング・タイムはわずか1秒です。これにより、音響空間での伝送周波数特性を素早く測定できます。

 

カバレッジテスト

一般的に客席により音の特性が異なるので、カバレッジテスト(観客席間のレベル差の検証)を実施することがあります。下記が一般的な例です。

固定された複数の位置、または、客席のエリアを連続でスキャンして測定します。周波数レンジは1,000 Hzから4,000 Hz、最大値と最小値の差は±6 dB以内にします。

カバレッジテストは、次のいずれかの方法でMax-Minスペクトラムを測定します。

  • 客席を歩きながら。または
  • 一箇所で止まって測定し、次の測定位置に移動する間はポーズにする。

当然、最小値は最大値よりも大きくならないので、±6 dBは0から12 dBになります。

帯域指定されたスペクトラムリミットの画面

繰り返しになりますが、緑色のランプが点灯している場合は合格ですので仕事は終了です。赤色のランプが点灯している場合はシステムに問題があります。カバレッジテストで合格判定が出るよう、各スピーカーの音量や取り付けを調整してください。あるいはスピーカーを追加する必要(ならないほうがいいですが)があるかもしれません。

XL2を使った、伝送周波数特性の測定やカバレッジテストに関してのお問合せは こちら