2015年 5月 4日

XL2にRT60 (T30)残響測定を追加

XL2にRT60 (T30)残響測定を追加

XL2サウンドレベルメータは残響時間の算出方法について、既存のT20に加えてT30が可能になりました。追加された機能は、現行のISO3382規格に準拠しており、XL2本体ファームウェアのバージョンアップにより使用できるようになります。

残響時間RT60とは、音響信号が停止した後、音圧レベルが60dB減衰する時間です。XL2はノイズ断続法により、オクターブバンド63 Hzから8 kHzにおけるRT60残響スペクトラムを測定します。オプションの「エクステンデッドアコースティックパック」により、1/3オクターブバンド50 Hzから10 kHzの測定が可能になります。

RT60測定の意義とは?
室内において残響時間を測定する意義は幾つかあります。一つ目は音声だけではなく音楽の音色にも良くも悪くも影響してしまうためです。RT60は室内の音響指標として最も適した値です。さらに、RT60は壁や騒音を発生させる製品の遮音、吸音などのパラメータの計算にも使われます。

ISO3382に規定されたT30、T20測定法
ISO3382規格では、残響時間の測定方法について幾つかの手法が規定されています。XL2では新たに装備したT30とT20の2つの測定方法を提供し、どちらも簡単に測定を実施できます。XL2は、サウンドレベルがT30による測定法においては30dB、T20では20dB減衰する時間を測定します。そして、これらの値から60dB減衰する時間が求められます。

RT60 (T30)による精度の向上
T20による測定法は、十分なダイナミックレンジや大きな信号レベルが確保できない場合に使われます。T30では長い減衰直線から、より正確な値が算出されると共に測定精度が向上します。

テスト信号について
インパルスおよび断続的ノイズがテスト信号として使用できます。スターターピストル、クラッパー、風船の破裂音などがインパルス音源です。XL2はインパルスに自動でトリガーし、RT60残響時間を測定します。正確に測定するには、無指向性スピーカーからピンクノイズを断続的に出力する方法をお勧めします。

DS2無指向性スピーカー
NTi Audioでは、高精度な残響時間測定を可能とする、コストパフォーマンスの高いDS2 12面体スピーカーセットをご用意しています。DS2は室内に均一な音響エネルギーを放射します。XL2は自動的に連続した測定サイクルを実施し、RT60の平均値を周波数帯域ごとに算出します。さらに、XL2はそれぞれの測定サイクルにおいて、サウンドレベルが減衰するリニアリティを判定し、測定終了後に不確実係数としてパーセントで表示します。これらの計算と判定値はISO3382規格に準拠しています。

XL2にオプションの「エクステンデッドアコースティックパック」をインストールすると、1/3オクターブ解像度での残響時間が測定可能になります。RT60 (T30)測定は、XL2ファームウェアV3.02以上が必要です。全てのXL2ユーザーの方々が無償で最新のファームウェアをダウンロードできます。


XL2サウンドレベルメータについて詳しくはこちら
DodecスピーカーセットDS2について詳しくはこちら
最新のXL2ファームウェアV3.03のダウンロード(無償)はこちら


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