サウンドレベル測定の周波数重み付け特性について

サウンドレベルメータで騒音を測定する際、周波数重み付け特性A、C、Zが使われます。これら3つの特性の違いは何ですか?

全ての周波数帯域に渡り同じ音圧の音は、下のグラフでZ特性と同じ直線になります。一方、人の耳の感度は周波数により異なり、A特性の曲線で表されます。すなわち低い周波数と高い周波数帯域では感度が低くなっています。C特性の曲線は、音が大きい場合に、低い周波数帯域で人の耳の感度がより高くなることを表しています。そのため騒音の大きさを評価する際には、AまたはC特性が使用されます

 

周波数重み付け特性Z、A、C
 

 

騒音測定では、一般にA特性フィルタが使用されます。また、ピークレベルを評価する場合はC特性フィルタが使用されます。Z特性(フィルタ無し)は、人の耳の感度ではなく、例えばスピーカーの周波数特性等の物理的な特性を評価する場合に使用されます。

周波数重み付けは特性の適用例として、例えばWHO(世界保健機構)が推奨する職場での最大騒音レベルは、LAeq = 85 dB, LCpeak = 135 dBと規定されています。単位に含まれるAとCの文字が、それぞれ周波数重み付け特性を表しています。

以下の表は、IEC61672:2014規格に規定された周波数ごとの重み付けの値です。

1/3オクターブバンド重み付け特性

Frequency [Hz] A-Weighting C-Weighting Z-Weighting
6.3 -85.4 -21.3 0.0
8 -77.8 -17.7 0.0
10 -70.4 -14.3 0.0
12.5 -63.4 -11.2 0.0
16 -56.7 -8.5 0.0
20 -50.5 -6.2 0.0
25 -44.7 -4.4 0.0
31.5 -39.4 -3.0 0.0
40 -34.6 -2.0 0.0
50 -30.2 -1.3 0.0
63 -26.2 -0.8 0.0
80 -22.5 -0.5 0.0
100 -19.1 -0.3 0.0
125 -16.1 -0.2 0.0
160 -13.4 -0.1 0.0
200 -10.9 0.0 0.0
250 -8.6 0.0 0.0
315 -6.6 0.0 0.0
400 -4.8 0.0 0.0
500 -3.2 0.0 0.0
630 -1.9 0.0 0.0
800 -0.8 0.0 0.0
1000 0 0 0
1250 0.6 0.0 0.0
1600 1.0 -0.1 0.0
2000 1.2 -0.2 0.0
2500 1.3 -0.3 0.0
3150 1.2 -0.5 0.0
4000 1.0 -0.8 0.0
5000 0.5 -1.3 0.0
6300 -0.1 -2.0 0.0
8000 -1.1 -3.0 0.0
10000 -2.5 -4.4 0.0
12500 -4.3 -6.2 0.0
16000 -6.6 -8.5 0.0
20000 -9.3 -11.2 0.0

1/1オクターブバンド重み付け特性

Frequency [Hz] A-Weighting C-Weighting Z-Weighting
 8 -77.8 -17.7 0.0
16 -56.7 -8.5 0.0
31.5 -39.4 -3.0 0.0
63 -26.2 -0.8 0.0
125 -16.1 -0.2 0.0
250 -8.6 0.0 0.0
500 -3.2 0.0 0.0
1000 0 0 0
2000 1.2 -0.2 0.0
4000 1.0 -0.8 0.0
8000 -1.1 -3.0 0.0
16000 -6.6 -8.5 0.0