2019年 8月 22日

室内音響を最適化する新しいソリューション

室内音響を最適化する新しいソリューション

室内の音響特性は、その室内の使用目的や用途に適したものであるべきです。例えば、教室では発話の明瞭度は残響時間が長すぎると低くなってしまう一方で、コンサートホールで演奏されるピアノソナタには、長い残響時間は心地良い響きとして効果的となりえます。このような一般的な事例からは、残響時間を調整することが室内音響にとっていかに重要かが分かります。NTi Audioの新しいPCソフトウェア「XL2室内音響レポーター」は、DS3 12面体スピーカーとXL2サウンドレベルメータを併用することで、ISO 3382および DIN 18041に準拠した残響時間の最適化計算と包括的なレポートを作成するための、完全なソリューションを提供します。

室内の残響時間は、室内音響において最も重要なパラメータのひとつです。室内の使用目的や用途によって、残響時間の要求が決定されます。例えば教室においては、部屋の大きさにもよりますが、明瞭な発話には0.5秒から1.0秒の残響時間が理想とされます。ただし、特に古い学校施設の場合は、吸音材が不足しているため、多くの場合で残響時間が長すぎる傾向があります。コンサートホールでは、2秒から3秒の残響時間が豊かな響きを与えられるということで理想とされます。

パワフルな全指向音源DS3
国際規格に準拠する残響時間測定においては、全指向性の音源が必要になります。音響エネルギーは全ての方向に対して一様に放射されなければいけません。さらに、現在の標準化された建築音響測定では、特定の周波数範囲においてフラットな周波数スペクトルが要求されます。DS3 12面体スピーカーはこれらの要求を満たし、残響時間測定に必要なテスト信号を高い音響パワーで放射します。

DS3 Dodecahedron Speaker

XL2による残響時間測定
XL2サウンドレベルメータは、残響時間を63 Hzから8000 Hzまでのオクターブバンドで測定します。音響吸音材メーカーの多くは、オクターブ解像度での材料特性を仕様化するため、マニュファクチャ―データシートとXL2によって測定された値とは互いに適合します。残響時間測定が1/3オクターブ解像度で要求される場合、「XL2エクステンディッド・アコースティックパック」オプション(ファームウェア)がいつでもXL2にインストール可能です。XL2は自動的にインパルス音源または断続したピンクノイズにトリガします。残響時間を記録する際、T20とT30を切替ることが可能です。これらの二つの解析では、残響時間を計算する減衰レベルが異なります。

XL2

室内音響の解析と評価
「室内音響レポーター」は、残響時間測定レポートを作成するPCソフトウェアです。RT60のテスト結果は、室容積と使用目的により、例えばDIN 18041に規定されているトレランスバンドと即座に比較することも可能です。測定された残響時間がトレランスから外れている場合、ソフトウェアでは追加の吸音素材を含めたシミュレーションが可能です。Sabineの残響式を用いて補正および計算された残響時間が、即座にグラフで表示されます。これにより、室内の適正値を満たすために必要な吸音材の種類と量を容易に確認することができます。

Room Acoustics Reporter Software

様々な吸音材メーカーのデータが利用可能
上記で述べたシミュレーション計算のため、様々な吸音材メーカーから提供される吸音率αのデータがNTi Audioのユーザーサポートサイトからダウンロードできます。これらは「室内音響レポーター」にインポートして利用できます。各吸音材メーカーから新たなデータが公表された場合、NTi Audioのデータリストは継続的にアップデートされます。また、ユーザーの方々が独自で素材データを規定してシミュレーションが可能です。

ソフトウェアはコンピューターに台数無制限で同時にインストール可能
「室内音響レポーター」は、コンピューターに何台でもインストールすることが可能です。一方でXL2には「室内音響オプション」を永久ライセンスとしてインストールする必要があります。また、費用対効果の高い年間サブスクリプションサービス「室内音響レポーター365」も用意されています。XL2のユーザー登録により、ソフトウェア、サンプル測定データをダウンロードして利用できます。

「室内音響レポーター」はファームウェアV4.20またはそれ以上のXL2が必要です。1/3オクターブ解像度で残響時間を測定するには、XL2に「エクステンデッド・アコースティックパック」オプションが必要になります。

本ニュースに関連するリンク:

  • 室内音響レポーターに関して詳しくはこちら
  • 12面体スピーカーDS3に関して詳しくは こちら
  • XL2サウンドレベルメータに関して詳しくは こちら

ダウンロード

  • 室内音響レポータのダウンロードは こちら
  • 室内音響レポータのデモデータはこちら
  • 室内音響レポータ用の吸音材メーカーのデータは こちら
  • プレス用高解像度写真のダウンロードはこちら

Categories: 室内 / 建築音響

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