2021年 3月 10日

音声明瞭度規格edition 5への対応

音声明瞭度測定が規格化されているIEC 60268-16 が2020年9月末に改定され、edition 5 (ed5)が発行されました。 XL2の最新ファームウェア4.50は、edition 2からedition 5の規格に対応しています。edition 5ではテスト信号について若干の変更がありました。このテスト信号については、すべてのSTIPAオプションユーザーの方々がMy NTi Audioから無償でダウンロードできます。

 

改定されたテスト信号への対応

2020年9月、音声明瞭度測定に関する規格IEC 60268-16 edition 5が発行されました。このエディションで顕著に変わったのは、テスト信号の重み付けが全体的に少し増やされ、低域においては減らされました。これは最新の調査結果に基づくもので、人の音声スペクトルにより近づけるためです。

edition 4とedition 5のSTIPAスペクトルの比較

新しいedition 5のテスト信号では、低い周波数帯域の音響エネルギーが低くなっており、NTi Audio TalkBoxほどパワフルでないシステムでも音響信号の放射が可能なことを示しています。このedition 5に準拠した信号は、すべてのSTIPAオプションユーザーの方々がMy NTi Audioより無償で入手できます。テスト信号ファイルをダウンロードした後、NTi Audio TalkBoxに直接ロードしてください。これからTalkBoxとMiniratorをご購入のお客様には、edition 5に準拠した新しいテスト信号が内蔵された状態で出荷されます。

 

edition 4とedition 5の測定結果が混在している場合、何か問題が生じますか?

XL2は、STIPA測定後にedition 2からedition 5までエディションを切り替えることができます。また、解析の主要部分ではedition 4とedition 5に違いがないため、測定エラーは発生しません。

しかし、edition 4に準拠した測定が必要でありながらTalkBoxがedition 5のみに対応している場合、または逆にedition 5に準拠した測定がしたいのにedition 4の信号しか出力できないことがあります。テスト信号における二つのエディション間のレベル差は最大6 dBですが、低い周波数における変調度の重み付けが非常に減衰されるため、異なるテスト信号を適用した場合の測定結果に与える影響は平均0.01 STI以下です。したがって、測定結果にはほとんど影響を与えません。測定エラーの標準偏差は0.015 STI、許容されるエラーの値は0.03 STIです。測定時のわずか2 %で測定の不確かさが0.003 STIの最大許容偏差を上回ります。

 

改訂されたSTIアプリケーションノートは、こちらからダウンロードできます。
https://www.nti-audio.com/Portals/0/data/en/NTi-Audio-AppNote-STIPA-Measurement.pdf
 

アップデートされたIEC 60268-16:2020 (ed5) が選択できるXL2の最新ファームウェアV4.50は、こちらからダウンロードできます。
https://my.nti-audio.com/support/xl2/index.php
 

STIレポーターソフトウェアも改訂されました:
https://my.nti-audio.com/support/xl2/download/NTi-Audio-STI-Report.zip